ルーテル教会の誕生宗教改革者マルチン・ルターにより誕生

ルーテル教会は、1517 年にマルティン・ルターが掲げた「聖書のみ、恵みのみ、 信仰のみ」という宗教改革のいわゆる三大原理に基づく教会です。ルターの主張 は、ヨーロッパで多くの人々の共感を呼び、ドイツだけに留まらず、その宗教改革 の波は北欧諸国であるデンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、ア イスランドに広がり、ルーテル教会が国 ( 民 ) 教会となりました。さらに 18 世紀 以降、ヨーロッパ及びアメリカからアジアやアフリカの各地にルーテル教会の伝 道が展開され、世界各地にそれぞれのルーテル教会が形成されました。ルーテル 教会 ( ルター派 ) は世界のプロテスタントの中での最大教派であり、全世界に 7,000 万人を超える信徒を有しています。

日本福音ルーテル教会の宣教のはじまりキリストの愛にもとづく福音を伝える

日本福音ルーテル教会の宣教は 1892 年にアメリカの南部一致シノッドから 派遣された宣教師シエーラーとピーリーにより、九州の佐賀の地から始まりまし た。そこから熊本、久留米、さらに東京へと伝道が広がり、全国に 123 教会がそれ ぞれの与えられた地域で伝道活動をしています。神の宣教の器である教会に招か れ、「信仰と愛」の交わりにあずかった者(信徒・教職、2万人)が学校、社会福祉施 設、幼稚園・保育園の宣教共同体と協力して、今日の世界と日本の社会への福音 宣教と多様な愛の奉仕の業を推進することを目指しています。

学校法人100年の伝統を継ぐ学校法人

日本のルーテル教会の教育事業は、「路帖神学校」が 1909 年9月、熊本新屋敷 の宣教師館での神学教育と共に始まりました。1911 年には九州学院が、1926 年 には九州ルーテル学院の前身である九州女学院も創設されました。その後、神学 校は東京鷺宮に移転し「日本ルーテル神学専門学校」と名前を変え、さらには大学 への改組、三鷹への移転を経て 1996 年ルーテル学院大学、日本ルーテル神学校 となって今日に至っています。ルター派の宣教の業から生まれた、これらの学校は 今日の日本社会の中で、開かれたキリスト教精神に立脚しつつ、人間としての存在・ 生命の尊さを正しく理解するキリスト主義教育に基づく運営を心掛けています。

社会福祉協会日本の社会福祉の先駆けとなった社会福祉協会

ルーテル教会関連の9つの社会福祉法人は、海外、ことにアメリカのルーテル 教会の支援に基づく宣教と奉仕の業から生み出された団体です。情報を交換し、 助け合い、祈り合う交わりを続けています。主イエスの十字架の愛に触れた者は、 誰でも他者を愛せざるを得ません。そのような愛の伝達から始まったのが福祉事 業です。従って、キリスト教社会福祉は、「弱い人を助ける」というのでなく、イエ スさまがなさったように「共に生きる」ということを目指しています。そのため に、ここで働く職員は、一日 24 時間、文字通り昼夜を分かたず、隣人に寄り添って 生きようとしています。

幼稚園・保育園こころを育てる幼児教育をめざす

日本福音ルーテル教会に連なる、幼稚園(28)と保育園(20)は、アメリカから派 遣された婦人宣教師を中心とする宣教と教育事業の中から誕生した施設であり、 地域社会でのよりよいキリスト教幼児教育、幼児保育に努めています。これらの 施設を構成メンバ―として、1953 年に組織された「日本福音ルーテル教会ルーテ ル幼稚園・保育園連合会」はキリストの愛の心を育てる幼児への教育と保育によ る働きを通して、教会の宣教にも実りある業を生み出すことを目的として活動し ています。

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